SIRC 龍谷大学 社会的孤立回復支援研究センター | Social Isolation Recovery Supports Research Center, Ryukoku University

Unitユニット紹介

子育て家庭Child-Rearing Family

社会福祉学、保育学、貧困予防、支援施設、食育

代表
中根 真(短期大学部・教授)
Makoto NAKANE/Professor, Department of Childhood Care and Education, Ryukoku University Junior College

本ユニットの目標は、子育て家庭の社会的孤立に焦点化し、その実態把握ならびにその緩和・解消の具体的な可能性を探索することである。
一言で「子ども」と言っても、0~17歳までの年齢幅があり、その上、性別や国籍の違い、障がいの有無など属性にも多様性がある。

同様に、「子育て家庭」も核家族や三世代同居のほか、ひとり親家庭、ステップファミリー、同性婚カップルなど多様性がある。そのため、子どもや子育て家庭の多様性を認識した上で、何に、なぜ注目するのかは興味・関心が分かれるところであり、議論の余地がある。他方、わずか2年間の研究期間であることを考慮すれば、短期的かつ集中的な検討と着実な成果が求められる。

そこで、本ユニットは児童虐待の末、子どもの死亡に至った一群の最悪事例の詳細な検討が、子育て家庭の社会的孤立を生み出す背景やメカニズム、子どもや保護者の追い詰められた社会的な状況を本質的に理解する近道になるのではないかと仮説的に考える。

研究の方法は、オンライン月例研究会を通して、重要文献の輪読と知見の整理を基本とする。社会福祉学のほか、心理学、栄養学、教育学の各研究者による学際的な議論、子育て家庭の多面的・多角的な理解が期待される。なお、適宜、ゲスト研究者・実務家の招聘によるコンサルテーション、シンポジウムなどを通して、リーフレットに盛り込む内容を精選・集約する計画である。

目指す研究成果は、子育て家庭の社会的孤立に関する保育者・教職向けの啓発リーフレットの作成である。本ユニットの研究者全員が短期大学部こども教育学科において保育者(保育士・幼稚園教諭)養成に従事していることから、本ユニットの研究成果は直接的には在学生や卒業生、保育実習園・施設、教育実習園に対して、さらに間接的には四年制学部の教職志望学生に対して、それぞれ還元する予定である。

共同研究者

キーワード

  • 子育て家庭の多様性
  • 児童虐待重大事件
  • 加害親の特徴
  • 社会的孤立の背景やメカニズム

連携プロジェクト

  • ①「幼児教育の貧困化」防止・脱却と就学前後の連続的な貧困予防に関する地域比較研究 (2019~2022年度科研費研究、研究代表者・中根 真)
  • ②母子生活支援施設における子どもへの支援の可視化による貧困対策の検討 (2020~2022年度科研費研究、研究代表者・堺 恵)
  • ③施設実習の事前学習に用いる視聴覚教材の開発と活用 (2022~2024年度学部FD自己応募研究プロジェクト、研究代表者・堺 恵)
  • ④養護教諭の外傷性ストレスの予防と支援対策の検討 (2022~2025年度科研費研究、研究代表者・赤澤 正人)
  • ⑤ペスタロッチから留岡幸助への影響関係の解明:「非行・犯罪の予防」という思想の継承(2022~2024年度科研費研究、研究代表者・広川 義哲)