システムズアプローチSystems Approach
臨床心理・支援者支援
- 代表
- 吉川 悟(心理学部・教授)
- Satoru YOSHIKAWA/Professor, Faculty of Psychology
社会的孤立を生み出す背景には、不登校、ひきこもり、育児疲労、虐待、職場不適応など様々な問題がある。
通常の心理的問題の相談では、問題とされている本人への支援が基本となっている。しかし、社会的孤立にある人の多くは、本人が支援窓口に直接訪れることはなく、その家族や関係者が支援を求めて来談することがほとんどである。このような支援を求める家族や関係者に対する対応は、これまで対人援助領域の中では具体的な方法がなく、適切な支援が行われないことが多く、社会問題として対策が求められてきたテーマである。
表面上の問題は、社会的孤立状態にある「本人のこと」が相談の主たる内容であっても、実質的には、本人に対応しているのは家族や関係者であり、具体的に有効な方策がないことから無力感に陥っているため、その家族や関係者を含めた支援が必要となる。このような相談支援の窓口に本人が来談せず、家族や関係者が主体的な相談者となる場合の支援方法については、従来の援助スキルでは不十分である。
本ユニットでは、孤立している本人にかかわる家族や関係者のかかわり方の変化を通じて、本人の孤立という問題の解消を目指すシステムズアプローチをもとに、支援を求めて来談した家族や関係者に対する動機づけの維持や向上を視野に入れながら、主として「来談しないクライエントへの間接的なアセスメント」について、臨床現場で働く心理職や心理職を目指す大学院生を対象としてトレーニングを実施し、その効果について検証する。
これにより、近年新たに提言された「関係者支援」の具体的な手続きを含めた有効性を示すことで、社会的孤立状態にある人に対するこれまで以上の有効な接近方法を示すことができると考える。
共同研究者
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伊東 秀章(心理学部・准教授)
Hideaki ITO/Associate Professor, Faculty of Psychology -
廣橋 諒一(心理学部・准教授)
Ryoichi HIROHASHI/Associate Professor, Faculty of Psychology -
竹下 柊(短期大学部・講師)
Shu TAKESHITA/Lecturer, Ryukoku University Junior College -
志田 望(心理学部・講師)
Nozomu SHIDA/Lecturer, Faculty of Psychology -
田中 智之(堺女子短期大学・助教)
Tomoyuki TANAKA/Assistant Professor, Sakai Women’s Junior College
キーワード
- 臨床心理
- 支援相談
- 不登校
- ひきこもり
- 育児
- 虐待