ヘイトスピーチ・ヘイトクライムをなくすための集い in 京都
日時:2022年9月24日(土)14時~16時30分
発題講演: 「ヘイトスピーチ 、ヘイトクライム対策の現状」 郭辰雄(コリアNGOセンター代表理事)
パネリスト: 「法規制の課題」 上瀧浩子(求める会共同代表)
「ネット空間のヘイト対策」 金尚均(求める会共同代表)
「選挙におけるヘイト対策」 角替豊(求める会代表世話人)
コーディネーター : さとう大(求める会事務局長)
会場参加(先着 20 人)、オンライン(zoom)参加(先着 100 人まで)とも事前申し込みが必要です。
★申し込み〆切 :9 月 23 日(金)24:00まで
★参加申請:https://forms.gle/nnoYvvwZr9AXBTRa6
※会場で開催費用と今後の活動のためのカンパを呼びかけます。ご協力お願いします。
共催: 京都府・京都市に有効なヘイトスピーチ対策の推進を求める会 京都・東九条 CAN フォーラム 龍谷大学社会的孤立回復支援研究センター(SIRC)
ヘイトスピーチ・ヘイトクライムをなくすための集いin京都
2009年12月、レイシストのグループが京都朝鮮第一初級学校を「襲撃」する事件が発生しました。その後も2010年には数次にわたり在日コリアンの多く住む住宅街東九条を狙い撃ちにした「襲撃」が繰り返されました。襲撃事件の犯人たちは2014年最高裁判決で有罪が確定し、裁判所で初めてヘイトスピーチの人種差別性を認定させ、朝鮮学校の民族教育を人格的利益と認めさせ、そして、泣き寝入りをせずに、不法な人権侵害を行った者たちに賠償金をきちんと支払わせるという、極めて大きな成果を残すことができました。
そして、2016 年には「ヘイトスピーチ解消法」が制定され、差別を解消し、差別を許さない社会づくりを進めるための大きな一歩となることが期待されました。この間,法務省が作成した「ヘイトスピーチ、許さない!」というポスターをはじめとし、人権啓発活動の取り組みが行われています。 また、地方公共団体において、条例の制定や公の施設の利用許可に関するガイドラインの策定などの取り組みも進められています。
京都府は2018年3月「京都府の公の施設等におけるヘイトスピーチ防止のための使用手続に関するガイドライン」、京都市は2018年7月「ヘイトスピーチ解消法を踏まえた京都市の公の施設等の使用手続に関するガイドライン」を施行しました。しかし、ヘイトスピーチの抑制効果は一定見えるものの、レイシストたちは選挙活動・政治活動を装い、施設での集会や街頭デモ等を継続して盛んにおこなっています。ヘイトスピーチは暴力と社会的排除を促す土台をつくります。ヘイトスピーチのあふれるインターネット空間では差別意識はさらに強まり、ときに承認欲求を求めて罪の意識なく犯罪すなわちヘイトクライムが行われるに至っているのです。
昨年8月のウトロ地区放火事件の犯人は、インターネット空間での「在日特権」「ウトロ不法占拠」などのフェイク・ヘイトスピーチを信じ、「私のようにそうした方々への差別偏見、ヘイトクライムに関する感情を抱いている人はいたるところにいる」「仮に私を極刑で裁いても、今後同種の事件、さらに凶悪な事件が起きる」などの暴論を展開しています。いつ、ヘイトクライムが起こるかわからないというのが今の社会の状況です。この犯罪が差別による凶悪犯罪ではなく、単なる放火として処罰されるならば、ヘイトクライムをますます助長させることになります。
ヘイトスピーチ解消法は、1995年に批准した人種差別撤廃条約に比較して対象が著しく狭く、理解や啓発を定めるにとどまり、この条約によって求められる人種的憎悪の流布や人種差別の「禁止」とは乖離したものになっています。2015年に「京都府・京都市に有効なヘイトスピーチ対策の推進を求める会」を発足し活動してきましたが、「施設の利用ガイドライン」が施行されて以降、次なる有効な対策を生み出せておらず、ウトロ放火事件の発生を受けて自治体の取り組みの強化を求めなければなりません。また、ヘイトスピーチ解消法が施行されてから6年が過ぎ、ヘイトスピーチ規制に関する条例を制定する地方公共団体が増える中でも、京都府・京都市においては規制条例が実現していません。差別を許さない社会づくりの歩みはあまりに弱いと感ぜられます。
この集会では「ヘイトスピーチ・ヘイトクライムへの対策と現状」を発題講演していただき、パネリストと参加者を交え、京都の現状に合わせたヘイトスピーチ対策の市民的広がりを盛り上げるために、何ができるかを討論してゆきたいと思います。