SIRC 龍谷大学 社会的孤立回復支援研究センター | Social Isolation Recovery Supports Research Center, Ryukoku University

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講演会・討論会「新型コロナウイルス感染症 忘れないで!亡くなった人たちのことを」を開催

新型コロナの5類引き下げ前日に、ノンフィクション作家や遺族、後遺症患者、医師、弁護士らがWithコロナの社会のあり方について討論

2023年5月7日(日)、龍谷大学 社会的孤立回復支援研究センター(SIRC)は、「新型コロナウイルス感染症 忘れないで!亡くなった人のことを〜Withコロナ 誰もが悲しみを語れる社会へ〜」講演会および討論会を、龍谷大学アバンティ響都ホールにおいて開催しました。

 

新型コロナの発生から3年余りが経ち、5月8日から感染法上の分類を季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられました。感染対策は個人の判断にゆだねられ、人々の往来も自由に、ますます活発になっていくことでしょう。しかし、この3年間で多くの方が新型コロナにより亡くなられました。医療機関のひっ迫によって治療を受けられなかった方や、親しい人に看取られずに対面は遺骨になってからというケースも少なくありません。

今回のイベントでは、「人間としての尊厳や多くの権利を奪われた人たちがいたことを私たちは決して忘れてはならない」という思いから、社会的孤立回復支援研究センターや新型コロナで家族を亡くした人が集う遺族会などが企画したものです。

 

第1部講演会では、ノンフィクション作家の柳田邦男氏が「人権としての死と別れ〜コロナ時代の人間の尊厳を問う〜」をテーマに登壇し、新型コロナ対応の問題点に人権の観点から切り込みました。

 

柳田邦男氏(ノンフィクション作家)
講演会で、柳田氏は、コロナ死をはじめ、津波死や事故死などの“さよなら”が奪われる死別の残酷さや深刻さに言及、喪失体験者のレジリエンス(回復力)を支えるためには、グリーフケアが重要であること、Withコロナ時代のいま、“尊厳ある死”について、医療者も患者・家族も一般人もそれぞれにわが身の問題として考える必要があることを指摘しました。

つづく第2部討論会では、柳田氏をはじめ遺族、後遺症患者、医師や弁護士など多様な立場から新型コロナと向き合ってきた登壇者らを交え、
「感染症5類引き下げ前日に語る~Withコロナ  誰もが悲しみを語れる社会へ」をテーマに話し合いました。
コーディネーターは、黒川雅代子(本学短期大学部教授・社会的孤立回復支援研究センター長・関西遺族会ネットワーク代表)が務め、「コロナ禍の振り返り(悔しかったこと・辛かったこと)」や「遺族、後遺症患者が取り残されないために」について、会場とオンラインの登壇者が順々に発言しました。
討論会の様子
黒川雅代子センター長
そのなかで、今回のイベントのタイトル内の「忘れないで!亡くなった人のことを」という言葉には、遺族らの「5類移行後にコロナ禍で起きたことが風化していき、再び同じような状況になった時に、私たちと同じような悲しい思いをする人が出るのではないか」という危惧と、「そうした未来が訪れないで欲しい」という願いが込められていることが共有されました。
そして、悲しみを社会全体として受け止める意識が必要であること、また、「何を忘れてはならないのか」について私たちそれぞれが問い続けていくことが必要であることが確認されました。

柳田氏は討論の総括として、この3年余りに及ぶ日本のコロナ対応について“検証”することを忘れてはならないこと、問題を風化させないためには、様々な形で遺族や医療従事者の声に広く医療・行政の関係者や一般の人々が耳を傾ける機会を設けることが重要であると述べ、討論会を締めくくりました。

 

討論会後、黒川センター長の呼びかけで会場の参加者一同で、新型コロナで亡くなられた方々への黙祷を捧げました。亡くなられた方の一人ひとりの命に思いを寄せつつ、どのようにWithコロナを生きていけば良いのかを皆で考える機会となりました。

 

なお、今回のイベントに関して下記のメディアでご紹介いただきました。(2023/5/8時点)

関西テレビNEWS 「新型コロナで亡くなった人を忘れないで」遺族らがシンポジウム 5類への移行を前に…京都(2023/5/7)

NHK 京都 NEWS WEB コロナ5類移行 「遺族のこと忘れないで」 京都で討論会(2023/5/8

・京都新聞「さよならなき別れ悲しみに思いを」(2023/5/8朝刊 京都市内版 地域面)