吉川悟教授(心理学部)の監修記事が「BEiNG~社会と⾃⼰の在り⽅を問うメディア~」で公開
2023年10月に本学ウェブサイトにて新たに「BEiNG~社会と⾃⼰の在り⽅を問うメディア~」が公開されました。
本コンテンツでは、急速に変化する現代社会に焦点を当て、社会課題の本質を明らかすること、多角的な視点で事象を探求し、現代の個人の存在意義を探求することを目的としています。
2023年10月号では、社会的孤立回復支援研究センター「システムズアプローチ」ユニット長の吉川悟教授(心理学部)監修の記事が掲載されました。
社会的孤立の原因には不登校、ひきこもり、虐待、職場不適応、うつなどさまざまな問題があり、これは臨床の分野でも困難な課題とされています。従来の精神療法または心理療法は、問題を抱える当事者に焦点を当てることで、原因を探り治癒を目指すという支援方法が主流でした。ところが実際には、当事者本人が直接に支援を求めるケースは少なく、家族や関係者が支援を求めてくるケースが多いのが現状です。しかしながら、具体的で効果的な支援策が不足していることから、適切な支援が行われず、家族や関係者が疲弊し、無力感を抱くことが多いと指摘されます。そのため、家族や関係者への支援が重要な課題です。
吉川教授によれば、家族や関係者間では、いずれかが精神的または心理的に問題を抱えている場合、その人間関係にも問題が生じる可能性があり、翻って、家族関係の問題によって、精神的または心理的に問題が生じる可能性があるといいます。
そこで吉川教授は、従来のアプローチとは異なり、社会的孤立状態に陥っている個人のみならず、個人と周囲の関係性における相互作用に着目し、人間関係を対象としたアプローチによって、問題解決を試みています。これを「システムズアプローチ」と呼びます。このアプローチは、現在、学校、企業、地域等を対象とした精神保健をはじめとして、対人援助に関与する近接研究領域においても活用されています。
システムズアプローチユニットでは、臨床の現場で働く心理職や心理職を目指す大学院生を対象に定期的に研修会を実施し、支援者の教育・育成も行っています。
吉川教授による研究の詳細は、当センターホームページでも紹介しています。
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また、きたる2023年10月22日には、当センター・関係支援ユニットとの共催で、本学大宮キャンパスにおいて「不登校・ひきこもりなど社会的孤立への家族支援 講演会&シンポジウム」を開催します。ご興味のある方はどなたでも参加いただけます。ぜひご参加ください。(※参加無料・事前申し込み制)
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